2018年4月11日水曜日

今日の朝日新聞から、注目すべき記事をご紹介します。


4月になって心を入れかえて朝5時過ぎから1時間、散歩をはじめました。体重も2キロ減ったようです。年内に3冊の出版を目標に準備に忙しい毎日です。

1)原発は維持する
2050年、30年先のエネルギー政策はどうあるべきか、経済産業省の有識者会議の「エネルギー情勢懇談会」が10日にまとめた提言です。原子力発電の「依存度低減」と太陽光発電など再生可能エネルギーの「主力電源化」の柱がふたつあげられています。しかしこの再生エネルギーの普及には「技術革新という高いハードル」があるそうです。朝日は、この技術革新が「思うように進まないと、それを理由に原発が温存されかねない」と踏み込んだ発言をしています。重要なことは、この有識者会議では原発と太陽光発電などの割合を明記していないということです。これで日本政府のエネルギー政策においては、原発をこれからも温存していく方針を立てるということです。フクシマ事故を日本政府は総括しないのですね。


2)北朝鮮の外交攻勢
連日報道されていますが、金正恩は南北首脳会談、米朝首脳会談に先駆けて、中国との首脳会談を終え、ロシアとの首脳会談をも準備しているようです。既に米朝間ではかなりの頻度にわたって話の内容をつめているようです。「古川勝久・国連安保理北朝鮮制裁委 元専門家パネル委員に聞く」というタイトルの記事では、「北朝鮮には長年の対米交渉の蓄積があり、この7、8年、元米政府高官らと何度も会合を持つなど周到に準備してきた」と書かれています。

10日の朝日によれば、米朝間でまだ隔たりがあるものの、核放棄と国交正常化の一括合意についてはなしあわれているとのことです。韓国ではもっと前に報道されてましたが、両国に代表部を置き、朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に転換し国交正常化を実現しようとしています。今のところ両国の違いは、上記の内容を具体化するための方法論、時間差です。ですから早晩、確実に実現されると思われます。

このような状況の中で、「一括合意による非核化」か、「段階的 非核化」をめぐって北朝鮮の外交攻勢がおこなわれており、その脈略で日中首脳会談があり、ロシアのラブロフ外相と北朝鮮の李容浩外相の会談が持たれたのでしょう。この会談で、プーチン大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の首脳会談のことも話されたようです。そうなると米朝首脳会談の前に持たれることになりそうです。

古川氏の注目すべき発言は、「相次ぐ核実験やミサイル発射を受け、国連安保理が制裁を決議した。しかし、日本を含む多くの国連加盟国は制裁を十分に履行できていない」と、断定している点です。これは日米が(特に日本政府が)、北朝鮮の最近の平和攻勢は、これまでの経済制裁が功を奏したからと言ってきたことと違っています。古川氏は、「制裁は外交交渉のための手段であり、制裁だけで兵器開発をやめさせることはできない」と発言しています。彼は日韓米での北朝鮮制裁の具体的な方法に触れていますが、そういう方向にいくということは極めて難しいと思われます。

3)ロシアと中国の対応
ロシアのラブロフ外相と北朝鮮の李容浩外相の会談によると、ロシアは北朝鮮の主張する、一括合意ではなく、「段階的 非核化」を支持したようです。トランプはいわば「ロシア疑惑」でプーチンに対して弱みを握られており、ロシアと中国の北朝鮮支持は一定の影響力をもつものと思われます。

朝日は11面の海外情報を伝えるページで、FBIがトランプの弁護士宅を捜索したと伝えています。この捜査は、「「ロシア疑惑」を捜査するマラー特別検察官の照会によって行われた」と報道されています。トランプと不倫関係にあったとされるポルノ女優への「口止め料に、選挙資金を流用した疑い」がかけられ、トランプの脱税も合わせて捜査の対象にされているようです。これは私見ですが、こんな状態のトランプと安倍が今月会ってどんなことを話し合うのでしょうか、もちろん、「拉致事件」と日本側が言ってますが、これは国内向けのリップサービスでしょう。拉致された人は南北朝鮮にもいます。日本だけではないのです。一昨年、12名の北朝鮮の女性が中国から韓国に亡命(韓国側発表)したのですが、北朝鮮はこの事件を「集団拉致」としています。本気に拉致問題の解決をみるのであれば、安倍が北朝鮮に乗りこみ談判すればいいのです。

トランプはシリアへの攻撃をすることで国民の関心を外に向けさせ、安倍を利用して自分のイメージアップを図ろうとするでしょうが、もう日本国民も信じないと思いますね。

一方、中国ですが、先の金正恩委員長が中国を訪問した時に習近平国家主席と合った時の、習近平の笑顔が安倍と会った時の苦虫を潰したような顔とあまりに違っていたことが印象的でした。今日の朝日は、その会談で金委員長が「米韓が我々の努力に善意で応え、平和の実現に向け段階的な措置を取れば非核化の問題は解決できる」が述べたと伝えています。それに習国家主席がどう応えたか、朝日は伝えていませんが、中国もまた、北朝鮮の「段階的 非核化」の支持をしたと私は考えています。

金正恩委員長の劇的な中国訪問は、アメリカと韓国には中国政府から事前に報告がいったのですが、安倍首相は新聞報道で知ったようです。ここからもアジアにおける日本の役割の位置がわかるというものですが、中朝首脳会談の内容の中で、毎日新聞は3月28日、「金委員長は南北、米朝首脳会談について「南朝鮮(韓国)と米国が善意をもって応じ、平和実現のために段階的、共同歩調の措置を取るならば、非核化の問題は解決できる」と表明。北朝鮮側が一方的な譲歩はしないとくぎを刺した形だ。朝鮮半島の非核化について、金氏は「(祖父の)金日成(キム・イルソン)主席と(父である)金正日(キム・ジョンイル)総書記の遺訓に照らし、非核化の実現に力を尽くす」とし、習氏も「我々は非核化の目標と対話による解決を堅持している」と述べた。」と報じています。

いずれの新聞も習近平国家主席が、金正恩委員長の「段階的 非核化」方針にどのように反応したのか記されていません。毎日新聞は、北朝鮮の朝鮮中央通信によると、ということで「金委員長は会談で、習主席をはじめ中国の同志と頻繁に会って友好をさらに深め、戦略的意思疎通、戦略戦術的協同を強化して両国の団結と協力を強固にすべきである」と強調した。」ということも付け加えています。この記事は他の新聞には見られません。この「戦略的意思疎通、戦略戦術的協同を強化して両国の団結と協力を強固にすべきである」という金委員長の発言に「段階的 非核化」の方針が含まれていると私は理解し、これに習主席が反対しなかったということは、北朝鮮の方針を承諾したことだと私は読み取りました。いかがでしょうか?








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