2018年2月28日水曜日

金信明さんと共に新たな出発をめざすコンサートとスピーチの集いの報告


すばらしい集会でした。韓国で倒れた金信明を無料で受け入れてくれた病院の医院長、担当医、日の丸君が代の強制に闘って来た同僚の教員、原発メーカー訴訟を提起した本人訴訟団、米政府の原爆投下の謝罪と賠償を求める日韓反核平和連帯、歌手のパギやん、場所を提供してくれた城南教会のみなさん、金信明の人柄をしのび意思を継うと「金信明さんとともに新たな出発をめざす」仲間が集まりました。


去年84日~6日、「反核平和フォーラム」と「韓国人被爆者追悼行事」のために、福岡在住の金信明(キム・シンミョン)さんは10人の日本人仲間と共に、韓国の陜川(ハプチョン)を訪れました。そこで、誤飲と心臓発作にみまわれ、救急治療のかいもなく、脳に酸欠による損傷をうけ、現在、ご家族の助けによって、福岡でリハビリ中です。
この度、パートナーの正子さんや娘さんたち、および、日本と韓国の友人たちは、道半ばで倒れた金信明さん共に、それぞれの現場で、日本社会の民主化に向けた新たな出発を確認する楽しいひと時を、下記のようにもつこととしました。


1.日 時:2018年2月25日(日曜日)午後1:30開場、

2.場 所:福岡城南教会(澤正幸 牧師)


プログラム
第一部 ……14:00
1、司会挨拶(木村公一)
2、主催団体より挨拶(崔勝久、日韓/ 韓日反核平和連帯 事務局長)
「金信明さんとは誰か なぜこの集会を開いたのか」
   Who is Kim Sinmyong(金信明)?
昨年8月、韓国のヒロシマと呼ばれている韓国人被爆者が住むハプチョンで国際フォーラムに参加した金信明は、手術した喉頭ガンが災いし誤飲により意識不明に陥り、現在も福岡で治療中です。
この場でわたしは、金信名は松澤信明からいかにして金信明になっていったのか、彼のアイデンティティの模索の歩みとその意義について話をしたいと思います。
彼は20歳になるまで父親が朝鮮人であることも知らずに育ち、夜間高校の教員になり、同和教育の実践の中から40歳の時に朝鮮人宣言をして「本名」のキム・シンミョンとして生きる決意をしました。朝鮮名で教壇に立ち、実生活においても表札を変えました。その経緯を知るだけで、彼の中にどれほどの苦しみと悩み、葛藤があったのかをうかがい知ることができます。日本国籍を持ち、韓国語もできない彼がどうしてそのような決断をしたのでしょうか?
私は、彼は父親の来日の歴史を知るなかで、朝鮮人であることをひた隠ししながら自分たちを育ててくれた父親の思いを精一杯生きる決意をしたのだと思います。自らも朝鮮の歴史の中に身を置き、歪められた歴史と朝鮮人差別の現実の中で、まさにその当事者として生き、闘う決意をしたのです。彼は日本人と朝鮮人の混血として、ハーフではなくダブルとして生きるということを宣言しあらたな地平を切り開こうとしてきました。国籍や血を重んじて民族の存在根拠とする固定観念を打ち破ったのです。
かれが金信名となのったということは帰属する場を明らかにしたということにとどまりません。同和教育の実践の中から彼が決意し選択した生き方は、差別・抑圧を生み出す社会の中で苦しむ人と向き合い受けとめ合いながら、共にその不条理に立ち向かおうとするものでした。それは徹底的に民族の一員として生ききり民族差別と闘うことで、まさに人間らしく生きるという宣言であったのです。
彼は本名宣言の後、管理教育、日の丸・君が代の強制、安倍首相の靖国神社参拝と安保法制反対、そして私たちと一緒に原発メーカーの責任を追及します。彼が倒れたハプチョンでは、アメリカの原爆投下の責任を問う提訴の準備し始めていました。
私たちは金信明が求めた生き方に共鳴し、病床にある彼とともに、反差別・反戦争・反原発の闘いを全世界的に進めて行きたいと願い今日の集会を計画しました。金信明の回復を願うここに集った仲間と共に、金信明との出会いを感謝し、金信明の思いを共有しながら前に進みます。
3、家族挨拶(荒木正子)
4、韓国参加者挨拶  ・グリーン病院 キム・ボング院長、イ・ボラ医師・韓日反核平和連帯代表 ユ・シギョン司祭、イ・ジンソプ氏(韓国古里原発訴訟 原告)
キム・ボング院長(写真、左から二番目)が勤めるグリーン病院は、慰安婦問題のために韓国に来た金信明の志を知り、なんと福岡までの帰る間の治療を無料で引き受けて下さいました。また、担当してくださったイ・ボラ医師(写真、左から三番目)は福岡の病院まで金信明に付き添い、しっかりとした引き継ぎをしてくださったのです。
5、オープニング曲(趙博氏)
6、関東各団体代表挨拶 ・池田幹子氏、小林裕氏
金信明が東京で夜間高校の教員をしているときに日の丸・君が代強制と闘った4名の仲間と、最初に福岡で裁判闘争をはじめた2名の教員です。
7、みんなで歌おう(憲法の歌)・池田幹子氏
~休憩~
第二部
8、福岡各団体代表挨拶 ・池永修弁護士(玄海訴訟) ・野上勇次氏(本人訴訟) ・倉掛直樹氏(アベ靖国訴訟)


第三部
9、エンディング曲(趙博氏)
10、閉会の挨拶(澤正彦)
澤正幸牧師は、民主化闘争に関わった韓国教会や、南北統一に寄与したドイツの教会のように、城南教会も日韓の連帯に寄与できる教会になりたいということで会場を提供して下さいました。



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