2016年10月29日土曜日

反核平和連帯福岡会議で採択された10・26「福岡宣言」

2016年10月26―27日、福岡で開催された日韓反核平和連帯の戦略会議において「福岡宣言」が採択されました。26日の集会において発表され、一般参加者のなかで「福岡宣言」に賛同する人たちの名前を加えて、日本語、韓国語、英語で後日正式に公表され、世界中に配布されます。
「福岡宣言」では、1945年の広島、長崎で投下された原爆による被害者は日本人だけでなく、日本のアジア植民地支配によって生み出された人たちが「決して報われることなく、無視されてきた」現実に言及しながら、「核兵器の正当化と維持のために作りだされた原子力発電所と核兵器の「即刻廃棄・廃絶」を求め、反核平和を運動を進めていくことを宣言しています。「福岡宣言」では具体的に取り組むべき課題として四つの運動方針を採択しました。



反核平和連帯福岡会議 福岡宣言

2016年10月26日

日韓反核平和連帯福岡TFT会議(戦略会議)参加者一同(裏面)

私たちは、決して忘れない。71年前に世に現れた核兵器は、米国政府・企業によって、広島、長崎の人々に投下され、残酷無比・無差別のホロコーストが行われたことを。その被害者は日本人だけでない。日本の植民地支配と侵略によって生み出された韓国・朝鮮、中国、アジアの被爆者たちは、決して償われることなく、無視されてきた。全体の被爆者数は70万人、朝鮮人被爆者は691,500人、死亡者数4万人に及んでいる(韓国政府所属調査委員会、2015)。

原子力発電所は、核兵器の正当化と維持のために作り出された。「原子力平和利用」の名のもとに導入された核発電所は、今や世界中に446基(IAEA 2016年7月13日)が林立し、今後、日韓中及びインドの原発が世界の過半数を占める。アジアから世界に向けて反核平和連帯を呼びかける理由がここにある。

日本政府は、多くの人々の願いを無視し、原発再稼働に突き進んでいる。作り出される膨大な核廃棄物を日本政府は、国内の「適切」な地を選び埋蔵しようとし、同時に、日米モンゴル政府間でモンゴルに核廃棄物を引き取らせるCFS(包括的燃料サービス構想)の合意をしてる(2011年5月9日、毎日新聞)。そして、更に、全世界への原発の輸出を国策として推奨し、核の惨害を周辺世界に拡散せんとしている。

 核兵器・核発電所は、人々を死の恐怖と破滅に陥れる物として、また社会的正義に反する物として、即刻廃棄・廃絶されるべきである。台湾政府はアジアにおいてどこよりも先んじて、2025年までに原発ゼロにすることを決定した(朝日新聞 2016年10月23日)。私たちは彼らから学び、彼らとともにさらなる反核平和をすすめていきたい。

私たちは、九州の川内核発電所の再稼働に続く、玄海原発の再稼働に反対する。また、佐賀県の唐津市に核廃棄物の貯蔵施設を建設するという計画にも反対することを参加者一同で決定した。
私たち日韓反核平和連帯は、以下の4点の運動方針を決定した。

1.私たちは米国政府の原爆投下責任を問う、韓国人被爆者の裁判闘争の実現に協力し、全力で支援する。
2.私たちは東芝等原発輸出メーカーの責任を追求するBDS運動を推進する。この運動は被曝労働者差別を前提にする、原発製造・輸出という非人間的行為を何ら恥じることなく行う、東芝・日立・三菱及び韓国の現代などの原発メーカーに対する、製品の不買―投資引き揚げ―制裁を国際的に進める運動である。
3.私たちは東京高裁で控訴中の原発メーカーの日立・東芝・GEの責任を問う訴訟を支援する。
4.私たちは反核平和連帯の運動の中から生まれ、その運動をさらに前に進めるべく、「世界反核平和生命憲章」を世界の平和を希求する人々と共に力を合わせ作成することを約束する。

 私たちは、自らの尊厳にかけて、国際連帯を追い求め希求する。私たちは過去から現在に続く植民地主義による日本国内の格差・貧困化、全国の地方自治体での外国籍公務員への「当然の法理」による差別、ヘイトスピーチの横行及び近隣諸国との軋轢を直視し、それらを克服する具体的な実践を積み重ねることで、世界の平和を求める人々との共同の闘いを生み出すことができる確信する。

                                    以 上


日韓反核平和連帯福岡TFT会議(戦略会議)参加者

キム・ヨンボク、 ユ・シギョン、 イ・デス、 イ・スンム、 ファン・ナムドク、 

ホン・ソニ、 イ・ウォンヨン、 マーサー・ファーグソン、 吾郷健二、 吾郷成子、 荒木正子、 井上 浩、 岡山文人、 金信明、 木村公一、 田上真知子、 田島伸二、 崔勝久、 寺島しげひろ、 野上勇次、 原豊典、 弓場彬人、 

0 件のコメント:

コメントを投稿