2015年8月7日金曜日

3週間のアメリカ訪問を終えてー2015 Pilgrim to North America for Nuclear Free World

3週間の訪米を終えて

2015 Pilgrim to North America for Nuclear Free World と銘打った3週間の訪米でした。
韓国のイデス牧師がすべて企画から段取りすべてを受け持ってくださいました。改めて感謝いたします。韓国で原発運営会社の責任を問い夫人の甲状腺がんの発症が原発のせいという世界初の判決を勝ち取ったイジンソプさんと御子息のキュンドの4人旅でした。

8月5日の夕方に3週間の訪米日程を無事に終え帰宅しました。
今回の訪米で今後の国際連帯運動の展望をしっかりとしたかたちで持つことができました。改めて皆さんに報告書を提出いたします。みなさんのご支援に感謝いたします。
西海岸(SF, LA, San Diego)から東海岸(Washinton DC, NY)そしてカナダのモントリオールを経てSFに戻り、最終的な会議に参加しました。各地での集会とともに、ラジオ局4社とのインタビュー、新聞社2社の記事によって多くの人に私たちのメッセージを伝えることができました。
訪米を企画したイデス牧師、癌の発症が原発事業者にあるという判決を世界で初めて勝ち取ったイジンソプさん、息子のキョンド、それに世界で初めて原発メーカの責任を追及する訴訟を提起した在日韓国人としての私の4人は、まさに絶妙のチームワークを発揮して反核のメッセージを伝えることができました。そして多くの人に感動を与えることができたことをなによりも誇りに思います。まさにここから新たな国際連帯運動をさらに一歩進めていくことになります。
私たちのメッセージは最終的にはこのようなかたちで集約されるようになりました。
Gyundo is a symbol of Peace, without any discriminations, any Nuclear Weapons and Nuclear Power Plants.キュンドは平和のシンボルです。そこにはいかなる差別も、いかなる核兵器も原発もないのです。
在米の日本人活動家、アメリカ人活動家、そして在米300万人の韓国人コミュニテイの中で中心的に活動される方々、さらに全米で圧倒的な力をもちアメリカの各都市、州さらに連邦政府にまで影響力をもつ在米中国人グループ、ロナルド・レーガン号事件の弁護士との出会いなど、訪米までは思いもしていなかった出会いが続き、これからの運動につなげていける目処がたちました。みなさんのご支援に心からの感謝です。
以下、3週間の訪米の旅をご報告いたします。

7/15, SF

SF滞在中は、毎月1回の日本領事館前でアメリカ人活動家とともにデモをされているNNA代表のChizuさんのご自宅にお世話になりました。何からなにまですべて彼女が段取りをしてくださいました。特に私は毎回私の話した内容についてのコメントをいただき、どの点を修正すべきか、どの点をもっと強調したほうがいいのかという適切なアドバイスをしていただきました。
彼女は特に、私が在日の立場で発言することに期待し、大いに激励してくださいました。短い時間で相手の心をつかむにはストーリーが必要で、理屈や理論では通じないということをSFでのいくつかの集会で経験して、それが先方に逆にしっかりと通じるというコツもわかりました。

そのひとつのスピーチがこれです。https://www.youtube.com/embed/5Y2E0JNy2Bw
Johnが編集してくれたものです。彼のおかげでロナルド・レーガン号の事件の弁護士であるCharlesとつながり、そしてなんとNYの活動家とも集会をもつことになりました。

このスピーチを聞いたアメリカ人はしっかりと受け止めてくれました。私が在日であるがゆえにメーカー訴訟を決意できた、ここで拍手が起こるとは思いもよりませんでしたが、このようにしっかりと自分自身を打ち出すことで共感が生まれるということを私は自覚できました。
               
7/16, 10:30am KPFA(local radio station)にてラジオ局でのインタビュー
アメリカSF湾地域のラジオ局から、昨日収録したインタビューが今、放送されました。下手な英語でしたが、私の思いは伝えることができたと思います。これで訪米の目的のひとつをはたすことができました。
Prof. Mickey Huffの司会で始まったインタビューでしたが、アメリカに着いた翌日朝のことでしたので、正直、私たちの英語がどれほど通じるのか自信がありませんでした。しかしMickeyが事前に資料を読み私たちのことをうまく導いてくれたので、放送はスムーズに進みました。日本での広島、長崎、福島の3つの悲劇はいずれもアメリカによってもたらされたものであり、特に福島の事故はGEの建設、設計によるものだという説明をしました。そのうえで、その後の私の主張の核になる部分の発言をしました。それは、私たちは日本の悲惨な状況を訴えMercyを求めるためにアメリカに来たのではなりません、みなさんご自身の責任を果たしていただきたいと訴えに来たのです。それは皆さんを責めるのではなく、皆さんと手をつなぎ今後一緒にやっていこうということです。

この発言に敏感に反応し感動したとMickeyは言ってくれたので、この発言が通じるということが分かりました。
         12:30- 2:30pm The Asian Delegation and NNAメンバーとの会食
                
     7-9:00pm San Jose Peace and Justice Centerでの集会




7/17,   6:30pm Sonoma Event at Cross & Crown Luthern churchでの集会
https://www.youtube.com/embed/5Y2E0JNy2Bw
"Choi Seungkoo is the Secretary General of No Nukes Asia Action (NNAA), a Japanese nonprofit organization that recently filed the Reactor Suppliers Lawsuit to hold companies that profited from Fukushima’s nuclear operations responsible for the continuing nuclear disaster (GE, Hitachi, Toshiba). "
https://www.youtube.com/embed/5Y2E0JNy2Bw
"Attorney Charles Bonner gives an update on his class action litigation on behalf of military personnel harmed by exposure to Fukushima fallout during an aid mission. The suit targets the plant operator and its manufacturers."
https://www.youtube.com/watch?v=V0zGbG2dTvo&feature=youtu.be

7/18,   10-3:00pm International Conference, ILWU Local 34 Hallでの集会
SF郊外のSonomaで素晴らしい集会がありました。トモダチ作戦の弁護士が参加してくれました。在日の経験から世界で初めて原発メール訴訟を提案した、原発体制をなくしていく戦いはあらゆる差別をなくす戦いだという私の話しに呼応するかのように、CharlsML Kingの戦いの話からはじめました。
あした彼と具体的なはなしあいをしますが、具体的な国際連帯運動の実現は間違いないと確信します。







7/19    12:00  S. Gunther Williams, Exec. Directorとの面談
         
     5:45pm  SF湾での船上レイバーフェアステイバル(レイバーネット主催)
Steve Zeltzerさんは日本人のご夫人とともにこの運動の中心人物です。労働運動に関わる人が多く参加していました。毎年、開催されているようです。たまたま中国からきた労働者がギターをもち、インターナショナルを歌い始めました。そしてそのうち、韓国の広州事件の歌を中国語で歌い始めると、イデス牧師は前に立ち一緒に歌い始めました。そうか、あの戦いはこのように世界の戦う人の歌になっているのだということを実感しました。
                 


7/20    5:00-9:00pm,San Louis Obispo Dinner/Conference

集会での私のスピーチ 
https://www.youtube.com/embed/5Y2E0JNy2Bw



7/21 火 Mothers for Peace主催の集会
イジンソプさんの講演に感動した女性がカンパを呼び掛けてくれました。Diablo Canyonの原発に反対するMothers for Peaceはベトナム反戦を掲げる女性団体として出発したそうです。在日の立場からメーカー訴訟を訴える私の話しはしっかりとうけとめられました。うれしいことです。
現地で宿泊させていただいたCaroleさんはなんとICUの後輩でした。新たな国際連帯運動の可能性を確信しました。メーカー訴訟をアメリカで始めるという話しも真剣に検討したいと思います。
SFからの車での移動はSam Kannoさんが受け持ってくださいました。ありがとうございます。
              





7/22 水 サンフランシスコ・ジャイアンツ球場のすぐ横になる伝統ある労働組合の会館にて集会が持たれました。ロナルドレーガン号事件の弁護士のCharles Bonner氏も駆けつけてくれました。






7/23   木 LAにて
LAで考えてもいなかった展開になりました。新聞報道とラジオ放送があったこともさることながら、全米でもっとも活動的な韓国人団体との出会いがありました。



LAには韓国人が100万人になるそうです。こちらの新聞社2社会に大きく私たちの紹介記事が載りました。またLA最大のラジオ局で30分の生放送に出ました。
そして今晩、集会が開かれます。新聞とラジオで宣伝してくれたので、多くの人が関心を持ってくれるとおもいます。原告になって反原発裁判に参加したいという人も出てきました。大きな動きが期待できそうです。LAの連絡先もできました。
午前中にあった弁護士のBarryは集団訴訟の専門家で、アメリカでの訴訟について協議していくことになりました。これらの段取りをしてくださった方は、Action for One Korea(AOK)Jean Chungさんでした。北朝鮮も訪問したことがあり、AOKの活動にPEACEという概念をしっかりと入れていくということでしたが、私たち反原発運動をする者との接点ができました。これからが楽しみです。





7/24  San Diago
サンデイエゴは観光地でありながら全米最大の空軍、海軍をもつ軍事基地でした。ここでも現地の韓国系ラジオ局のインタビューを受けました。https://youtu.be/tSlJvWt8q40



7/25 土 TMIThree Miles Island)訪問
TMIの実態に驚きました。廃炉になった原子炉の横で原子炉が運転されていました。TMIは過去のはなしではなかったのです。爆発した1基の原子炉の横にもうひとつの原子炉が稼働していました。電力会社の力の強いこの地区では、結局住民は和解金を受け取り、もう1基の原子炉の廃炉には追い込めなかったのです。また爆発した原子炉も解体作業には入れず、この可動する原子炉の寿命が尽きるときに一緒に解体作業に入るということでした。この中洲に存在するTMIの川上、川下には5基の原発があるのだそうです。




7/26  日 Baltimoreにて休日


7/27 月 ワシントンDCにて
マーチンルーサーキングの演説の場所と同じところにたち、こんな言葉を考えました。そしてこのフレーズが今回の訪米中でのもっとも重要な考え方になっていきました。

Gyundo is a symbol of peace, without any discriminations, any nuclear weapons and  nuclear power plants.
キュンドは平和のシンボルです。その平和はいかなる差別も、いかなる核兵器も、いかなる原発もありません。


7/29 水 NYでの集会


NYでの集会です。多様な働きをされている方が20名ほどあつまりました。今後の国際連帯運動につながるでしょう。日本人グループ、韓国人グループとも実際に最前線で社会的な活動をされている方々でしたので、私たちの話を受け入れてくださったものとおもいます。
私の話しは複合的な視点の必要性を強調しました。原発体制は差別の上になりたっているということを在日の視点、歴史観からはなしました。日本の原爆、原発の問題も被害者の視点だけではなく、加害者の視点か現実を捉えることの重用ということも共有化できたと思います。
何よりも、メーカー訴訟の重要性について理解、共鳴を得ることができたと思います。アメリカでの今後の運動展開をどうするのか、具体的に考えていきたいと思います。

インデイアンポリス原発の廃炉を求める運動には日本人の女性活動家が活躍されておられるようでした。市議に働きかけをするロビー活動が中心とのことでしたが、最近は月1回のマンハッタンでのデモをされているとのことでした。今回のNYでの集会はSFJohnの友人の日本人ライターのYoshiさんのご尽力で実現されました。たまたま集会後、私のブログの話に及んだとき、OCHLOSを読んでいるという方が数人いらっしゃり、驚きました。
世界はつながっていますね。

NYでは50万人の韓国人を対象にしたKCBNKorean Christian Broadcasting Network, Inc)でのラジオインタビューがありました。保守的な放送局とのことでしたが、イジンソプさんの話しに関心を示していましたが、本人は障害を持つ子供の親として、古里原発に対抗する裁判のことをしっかりと話されたので、多くのNYに住む韓国人は視聴されたと思います。

7/31 金 カナダに向かう
NYから列車で1時間のところにあるインデイアンポリス原発です。3ー40キロ位離れているのでしょうか。NY在住の日本人女性が廃炉を求めたロビー活動しています。連帯します。


8/1 土 カナダ入国

8/2  日 カナダの最も著名な反核学者のGordon Edwards 氏と写真家のRobert Del Tredici氏と面談。
イジンソプさんの裁判勝利とメーカー訴訟のことを聞いて喜んでくれた彼は、なんとの、Gundersen氏に電話をしてパリにいた彼と私をつなげてくれました。ありがたいことです


カナダの世界的な反核学者のGordonEdwards氏からこのようなメールをいただきました。
Che, I am very impressed with the strong vision you have of a lawsuit against the makers of nuclear reactors. In fact this is the very thing they are most worried about and why they insist that the laws be written ("Nuclear Liability" legislation") to protect them from liability. So it is a good idea to highlight the injustice and fundamental lawlessness of the nuclear regime, in the sense that they demand a law that puts them outside of the law.
I will work on a list of organizations in Canada that may be open to your message(s) and send that list to you.
Best wishes., and bon voyage, safe travels...


拝啓
崔さん、私はあなたが原発メーカー訴訟に対し心に抱いている深い洞察力に強い感銘を受けています。実のところ、これはまさに原発メーカーが最も懸念しているところであり、だからこそ彼らは、責任逃れをするために、原子力損害賠償責任を明記(「原子力賠償責任の法制化」)した法律(翻訳者注:原子力損害賠償法を指すと思われる)を制定するよう主張したのです。ですから、原発メーカーが法律制定化を要求して自分たちを法の網の外に置いたという意味においては、その不正行為および原発体制の根本にある無法状態(無法ぶり)をあぶりだすのは、名案です。
私はこれから、あなたのメッセージを直ちに快く受け入れてくれるような在カナダ団体のリストを作成し、あなたにお送りいたしましょう。

では、ご成功を祈ります。良いご旅行を。そしてお気をつけて。蔦村的子訳

8/3 火 SF Again


8/4 水 SFでのこの会議ですべての行事がおわりました。
みなさんのご支援に感謝です。
SFから始まりSFで私たちの「巡礼」は終わりました。Chizuさんは最後のスピーチで、今回の私たちの訪問で日本人と韓国人のつながりができたことを喜んでくださいました。
この写真の左端にいらっしゃる方は、私の話を聞いて、原発の戦いと最別の問題をリンクして考えることに賛成するということで挙手をされて話をされたのですが、彼はなんとこの図書館にコンピュータ技師としてボランティア活動をされている方で、たまたまそこにいらして会議に参加したということでした。

在米中国人リーダーと面談
訪米最後の面談は、全米で圧倒的な力をもちアメリカの各都市、州さらに連邦政府にまで影響力をもつ在米中国人グループ、世界抗日戦争史実維護連合会(Gloval Alliance for Preserving the History Of WW2 in ASIA)の副会長のIgnatiusY.Dingさんでした。以前、安倍がSFに来たときに現地では何もできなかったということを新聞で読んだことがありましたが、それが彼らの運動によるものだとは思いませんでした。SFの市民のうち30%は中国人だそうです。全米組織であっても地域の独自性を保ち、組織活動のためではなくあくまでも具体的な運動を重視する、彼らのプラクティカルなスタイルに、私は驚きましたが、同時に中国政府にまで影響を持つに至った彼らの力に脱帽です。強制労働に対する中国政府の最近の強行政策にも彼らの影響があるようです。

原発に関しては特に方針はないようですが、いつでもアメリカでの裁判が具体化すれば協力してくれるとのことでした。今後のおつきあいが楽しみです。

最後に。
今回の3週間のアメリカ滞在中に多くの方のお世話になりました。ここでは名前をだしていませんが、私たちの心の中では感謝でいっぱいです。みなさんのご協力なくしては今回のアメリカ滞在中のさまざまな集会や出会いはありませんでした。本当にありがとうございました。

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