2014年8月2日土曜日

講演:原発メーカー訴訟のとは何か~福島事故は戦後日本のあり方の必然的な結果~

昨日、20年の歴史があると聞いたのですが、「憲法を学ぶ会」で呼ばれて吉祥寺で話をしました。

タイトルは、「原発メーカー訴訟のとは何か~福島事故は戦後日本のあり方の必然的な結果~」でしたが、講演前にこれまで在日の講師はいなかったと伺い、急遽、話す内容を変更しました。

冒頭に話した趣旨は以下の通りです。
戦後、日本は平和と民主主義を掲げ、文字通り、戦争のない繁栄を享受してきたのですが、昨今、それが憲法解釈による集団自衛権の行使、武器輸出など戦争の準備に入り、経済もまた、低成長、停滞の時代に突入してきています。しかしそれはここにきて平和と民主主義がおかしくなってきたということなのでしょうか?私はどうもそうではないように思うのです。戦後日本はどのような歩みをしてきたのか、それを検証するのに二つの視点を提示します。

1.原発事故は「偽りの平和」を可視化した
2.在日朝鮮人の視点から見た日本の平和と民主主義の偽り

この視点は実際に私が経験してきた闘いを通して見えてきたものです。原発事故については「原発メーカー訴訟」、在日の視点からは、①日立闘争(日立の就職差別裁判闘争)、②川崎での「国籍条項」撤廃運動、この2点の経験から見えてきたことを当事者である私自身の言葉で話します。


1.「多文化共生」は植民地主義イデオロギー
2.原発体制は戦後の、植民地無き植民地主義
3.戦後日本を表す象徴的な言葉は、「終戦」です。lこれは日本がアジア諸国を植民地支配をし、アメリカに総合戦で敗北したこと、即ち、「敗戦」であった事実を隠蔽しています。そのため日本はアジアには「敗戦」を認めぬ強気な態度で臨み、アメリカに依存する社会であったのです。









参考文献

崔勝久 「日本のキリスト者へ、市民の国際連帯運動への呼びかけ」『福音と世界』11, 2013 
同 『原発とキリスト教―私たちはこう考える』新教出版社 2013
同 「東日本震災を「在日」としてどのように捉えるのか ―地域変革の当事者としてー」 鈴木江里子編『東日本大震災と外国人移住者たち』(明石書店 2012
「地域の変革と国際連帯の運動によって日本をよりよい社会へ」月刊『社会運動』388,389
「植民地主義に抗する国際連帯を地域から」『部落解放』4,5月号 2013

原発問題に関する私論(ブログOCHLOSに掲載したもの)
★一人の人間として、市民として生きることー原発体制に抗して
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/09/blog-post_20.html
日本のキリスト教会にイエローカード
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/09/blog-post_15.html
国際連帯を求めて~一国主義の克服~
http://oklos-che.blogspot.jp/2012/12/blog-post_8924.html
歴史の不条理に立ち向かうということー原発体制は植民地主義という仮説
http://oklos-che.blogspot.jp/2012/12/blog-post_10.html
市民の脱原発のネットワークをー「脱原発で市民連帯、核軍縮へ」
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/02/blog-post_13.html
韓国からの報告ー多くの出会い、韓国の実態の目撃
[特別寄稿]福島の教訓と "良い生活"ー韓国の碩学が語る
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/01/blog-post.html
台湾5日間ー反原発の国際連帯を求めて
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/04/taiwan-symposium-report.html
深刻な事態になっています。台湾の反原発運動の現状に関するレポートです
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/03/blog-post_9.html
モンゴルから世界の核事情が見える、最新のモンゴル事情の決定版
ー今岡良子さんの講演より 
http://oklos-che.blogspot.jp/2012/09/ustreamdehttpwww.html
危機的な状況に瀕したモンゴルを訪れて
http://oklos-che.blogspot.jp/2012/07/blog-post_26.html



在日問題に関する論文
「人権の実現ー『在日』の立場からー」斎藤純一編『人権論の実現』(講座全5巻「人権論の再定位」、法律文化社 2011)
「民族差別とは何か、対話と協働を求める立場からの考察―1999年『花崎・徐論争』の検証を通して―」『季刊  ピープルズ・プラン』52号(ピープルズ・プラン研究所 
2010)

★個からの出発 -在日朝鮮人の立場から-
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/06/blog-post_6.html
地方自治体の在日差別・抑圧の根は何か
http://oklos-che.blogspot.jp/2013/04/blog-post_6.html
★日本社会は「韓国人を殺せ」とデモすることを、言論の自由とするのか?
「多文化共生」は、現代の植民地主義のイデオロギーです
http://oklos-che.blogspot.jp/2012/10/blog-post.html
★「捨てられた石」ー在日として生きて来て見い出したこと
http://oklos-che.blogspot.jp/2012/07/blog-post_24.html
日立が原発をつくり続けるのはなぜかー民族差別についての公式謝罪文書を手掛かりにして http://oklos-che.blogspot.jp/2012/09/blog-post_7.html
国際連帯と地域の民主化は同じ根ー川崎の実例は全国の先駆け


お薦めする本
西川長夫『植民地主義の時代を生きて』(平凡社、2013)
水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社、2014)
白井 聡『永続敗戦論―戦後日本の核心』(太田出帆、2014)
高木仁三郎『原子力神話からの解放 日本を滅ぼす九つの呪縛』(講談社、2000


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