2013年8月30日金曜日

プレスリリース

「原子力損害の賠償に関する法律」(原賠法)は、合憲なのか?
福島第一原発の原子炉メーカーの免責は、許されるのか?

「原発メーカー訴訟」原告団結成と
提訴予定のお知らせ

報道関係者各位 
発表者: 「原発メーカー訴訟」の会 事務局

201392日 (東京)― 「原発メーカー訴訟」の会では、今もメルトダウンを続けている福島第一原発の原子炉メーカー3社(日立、東芝、GE)を被告とする「原発メーカー訴訟」を準備中であることを、ここに発表いたします。20131111日、東京地裁に提訴する予定です。

1. これまでの経過

1-1. No Nukes Asia Actions-Japan の結成(20128月)と問題意識
2012年、そして今もそうですが、国内の原発再稼動に反対する活動は盛んです。しかし、すでに原発メーカー各社は、ベトナム、ヨルダン、トルコ、フィンランド(当時)その他への原発輸出に取り組んでいました。国内の原発の廃炉を求めることは当然ですが、同時に「福島を破壊し、太平洋を汚し、今もメルトダウンを続けているような危険物を、輸出することが見逃されて良いのか?」という当然の疑問に悩む市民もいました。

そうした市民、崔 勝久(チェ・スング)や大久保徹夫(おおくぼ てつお)、八木沼豊(やぎぬま ゆたか)、その他が中心となり、20128月、東京でNo Nukes Asia Actions-Japan を旗揚げしました。(英語が正式名称です。日本語は、報道各社による説明にお任せします

この成立事情からお分かりのように、当初から下記の認識による活動を進めています。
・ 原発問題は、世界を覆う問題であり、1国だけでは解決できない。
A国からB国への原発輸出という問題ひとつを取り上げても、これに対抗するには、A国とB国、そして世界の反原発市民が連帯したほうが、より効果的。
・ たとえば中東諸国で原発導入の動きが強いのにも、イランの核開発疑惑やイスラエルによる核保有が根底にある。さらに本来、核エネルギーによる発電は、核兵器技術から派生したものであった。このように、「核発電」問題は「核兵器」と切り離しては考えられない。
こうした問題意識から、結成当初よりNo Nukes Asia Actions-Japanでは、「核発電」を行う多くの諸国に共通する、原子力事故の場合に「事業者への責任集中」を定める法律を問題視してきました。そして具体的なアクションを、今回のメルトダウンを引き起こした日本でまず展開できないか、検討していました。
並行して、No Nukes Asia Actions-Japan では事務局長の崔 勝久をモンゴルや台湾、韓国に幾度か派遣、各地の反核市民団体や環境団体などとの話し合いを重ねました。こうした努力が、次のNo Nukes Asia Actions結成に結実します。

1-2. No Nukes Asia Actionsの結成と、「訴訟」の準備(201211月)
No Nukes Asia Actions-Japanはモンゴル(核燃料廃棄場の建設が問題になっている)、台湾(第四原発が「日の丸原発」と呼ばれ、国民投票が予定されている)、韓国(日本と同様、原発輸出に取り組んでいる)、北米、ドイツ、その他諸国の反原発市民有志と連帯、国際的なネットワークであるNo Nukes Asia Actionsを立ち上げました。201211月、東京の信濃町教会にて、これら諸国からの人々も列席する中、結成記者会見を開きました。
このとき既に、本「原発メーカー訴訟」の弁護団長である島 昭宏(しま あきひろ)弁護士による、日本の「原賠法」に関する講演をいただきました。

1-3. No Nukes Asia Actionsによる訴訟準備、そして「原発メーカー訴訟」の会(原告団)の結成(20138月)
それ以降、No Nukes Asia Actionsが中心となって原告参加者を募り、また弁護団に参加してくださる弁護士の方々をも増やしつつ、人数や資金、そして法理論の両面での準備を進めました。なにぶん、この「訴訟」そのものが単純なものではなく、「原賠法」という“法律に対する訴訟”という意味を有しているため、その本質を理解していただくのに苦労しました。ですが、20138月にはすでに数十名の原告を集めることに成功、今後も増やしてまいります。これを機に、No Nukes Asia Actionsとは別組織としての実行委員会、つまり「原発メーカー訴訟」の会を結成するに至りました。

2. 「原発メーカー訴訟」の概要

この訴訟は確かに、福島第一原発の原子炉メーカーである日立、東芝、GEの3社を相手取ったものですが、要求しているのは「(世界の人々が)福島第一原発事故をメディアの画像などを目撃したことによる精神的損害について、原発メーカー各社に対し、原告一人につき慰謝料100円を請求する」という、“シンボリックな金額”に過ぎません。ではいったい、何がねらいの訴訟なのでしょうか?
本質的に問題にしているのは、実は「原賠法」です。「原子力事業の健全な発達」を目的とし、責任集中の原則を規定するこの法律がある限り、福島第一からの汚染水が太平洋をどれだけ汚そうと、福島県から何十万人が避難しようと、原子炉メーカー各社は法的責任を求められません。「死のビジネス」は続いてしまうのです。

★ 以下に、この訴訟の概要をまとめます。
名称: 「原子力メーカー訴訟」
原告団: 「原子力メーカー訴訟」の会(国籍を問わず、世界のどこからでも参加可能)
被告: 福島第一の原発メーカー3社 - 日立、東芝、GE
「公式の」要求: 上記の ”シンボリックな金額“ -- 原告一人あたり慰謝料100
原告団の真意: 「原賠法」は違憲ではないのか、という問題を法廷で取り上げ、かつ社会全般にこの法律への問題意識を喚起する → 今後、同様の訴訟を全世界で巻き起こすきっかけとする
提訴予定: 20131111日、東京地方裁判所に提訴の計画

3. 国外からの反響

20138月現在、すでに台湾からの原告団参加者が数名おります。原告団を代表して崔 勝久がすでに3度にわたり台湾を訪問、当地の環境団体などと話し合いを重ねております。
日本と同様に原発輸出を実質的な国策としている韓国にも崔 勝久を幾度か派遣、同地の反原発市民の皆様からも、反響が届いております。
北米やマレーシアなどからも反響が寄せられており、「原発メーカー訴訟」の会では今後、世界からさらに多数の原告を集めるべく努めております。

** 本プレスリリースの「本文」は、以上です **
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「原発メーカー訴訟」に関するお問い合わせは、下記へお願いいたします。

「原発メーカー訴訟」の会 事務局
166-0003  東京都杉並区高円寺南1-18-14 高南レジデンス102
FAX (03) 6765-3977    Eメール ermite@jcom.home.ne.jp
090-4067-9352 (チェ・スング)

日本語ウェブサイト http://ermite.just-size.net/makersosho/index.html
英語ウェブログ http://ermite.just-size.net/test/


 
 



本日(92日、3pm -) の記者会見のプログラム

本日の記者会見のプログラムは、下記のとおりです:

1. これまでの経過 (本プレスリリースと重なります) - 大久保 徹夫(「原発メーカー訴訟」の会 事務局)
2. 「原発メーカー訴訟」について、その日程や内容 - 島 昭宏(原告側弁護団長)
3. 「原発メーカー訴訟」の意義について - 河合弘之(原告側弁護団 弁護士)
4. 本訴訟と並行する市民の国際連帯運動の展開 - 崔 勝久(「原発メーカー訴訟」の会 事務局長)

ご覧のとおり、法理論に関しては本プレスリリースでは、取り上げておりません。上記の2.3.で、弁護士による見解をお聴きください。





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