2013年4月23日火曜日

台湾5日間ー反原発の国際連帯を求めて

台湾4泊5日、反原発の国際連帯を求めて現地で見聞したことを報告します。

 1.シンポジウム(ツイターで流した情報を転載)
Lanyu島について 
台北のシンポジウムに参加中、台湾南部Lanyu島で発見された高線量の放射性物質の測定結果をめぐる講演、首都大学の加藤准教授が説明。桜美林大学の中生教授が通訳。台湾の原発政策に影響を与えるか?多くのマスコミの取材。

 Lanyu島の住民が質問中。彼らは30年にわたり闘争中。住民をだまして低レベルの放射性物質の貯蔵所を建設。主催者は反原発の立場は明確。国会議員の参加。原子力委員会へに影響は必死。 Lanyu島にある医療関係などによる影響か、何が原因で高線量の放射性物質が存在するのか、その究明は可能か?可能、と下(しも)元名古屋大学教授は説明。 

六ヶ所村との比較においても、六カ所村は低レベルの永久保存なので、施設の構造は全く違う、Lanyu島においても改善は可能。ドラム缶に置かれた放射性物質は放置状態。それをどうすべきかは台湾の人が決定すべき、日本人として言えることではないと説明。 

②第四原発 
台湾の原子力委員会と台湾電力の関係は日本以上に癒着しているようだ、台湾電力の問題を第三者の立場で監視できておらず、台湾国民の原発へに反発は日本以上のように見える。日立・東芝・三菱・GEが作った原発は運転できず、住民投票で廃炉に追い込めるか、要注目。 

台湾の反原発運動についての分析 
最後の講師は若い女性で、台北に近い第四原発に対する台湾人の意見を説明中。6ヶ月前に台湾に来た時よりはるかに多くの人が関心をもち、反対の意向のよう。明日、台湾駅前で恒例のデモがあるとのこと、その現場で現地活動家と会う。現地の女性リーダーを紹介されたが、以前、彼女の家を訪問。 

台湾の女性活動家の説明では、男性より圧倒的に女性の方が原発に関心が高いとのこと。全国の大学生のデモ参加者の紹介中。平均、5-10%というところか、これってすごくないですか! 

福島以降のアジア諸国(韓国、台湾、日本、中国)大学生の意識の比較の説明中。ガンに関しては日本人学生はダントツに高いが、それ以外の項目では違いはあまりなく、むしろ低いくらい。結論と推薦。政府への不信と管理能力への不信を表明。 

2.立法府前でのデモに参加 
① 緑色公民行動聯盟(GCAA)の若い活動家が中心で、そろいの黒のTシャツに黄色のたすきをかけマイクでのシュプレヒコールに従いながら、約100名がデモ行進。多くのマスコミの取材。

②前日のシンポで出会ったYさんと面談、道端の木陰で第四原発の問題点を説明を聴く。第四原発の傍の住人で、詳細に問題点を解説してくれる。第四原発の廃炉を求めるデモは、与党の国民投票決定を目前にして即時建設中止を求めるもの。

③緑の党の幹部と会談。11月11日の「原発モンスター」裁判の協力を求める。台湾からの1000名の原告を準備して欲しいと切り出す。台湾の現状に即した原告とサポーターの負担する費用を検討してもらわなかればならない。チラシと委任状を英文、日本文の両方をもらえば早急に組織として検討すると約束。

④Yさんの手引きで、野党の元副総統の主催する会議に出席、与党側が実施しようとしている国民投票は問題が多く、野党はむしろ第四原発に近い(30キロか50キロにするかを議論)ところでの住民投票を主張するのに、弁護士、住民、市議、研究者らが参加して意見を表明。それを野党の意見として集約作業を続けるとのこと。

⑤前日のシンポを主催したJ教授と面談。Lanyu島での調査の経験もあり、日本通。野党の有力政治家とも近く、国会決議した原子力委員会が果たさなければならない現地調査などの実施に際してキーパーソンとみられる人物。しかしLanyu島での過去の測定結果についての論文発表はなく、今後日本側がどのようなスタンスでLanyu島問題に関わるのかは、慎重を期す必要があるとの印象。

原子力委員会は、経済部、衛生署(=厚生省)、環境保護署、台湾電力と協力し、迅速に原子力発電維持運営基金と関連部門の予算を運用し、民間の放射線専門家を招聘し、国際研究団体及び台湾電力が蘭嶼島民代表と共同して蘭嶼島全島での放射能汚染測定調査、全島の住民の全身健康検査、全島の環境観測、及び流行病の研究を共同で実施し、直ちに放射線の外漏れによる汚染除去の研究計画を準備する。

2013年1月21日月曜日
台湾の蘭嶼島(Lanyu)事態で国会が動きましたー朗報です
http://www.oklos-che.com/2013/01/lanyu.html


3.台湾最大の環境団体のTEPUと会議 
 A:第四原発の国民投票の山場を迎えて 
①与党の国民党が今週中にも914万人(有権者の半分)以上の投票によって多数決で原発建設を止めるにことに賛成かどうかの国民投票をすることが確実視されている。されれば、1-6ケ月のあいだに国民投票の日にちを決定する。 
②野党の進歩党は第四原発に近い都市での住民投票を求めているが、その可能性は低まずは914万人が投票に行くことを推し進める運動をするとのこと。

 B:Lanyu島の高線量廃棄物の問題 
①中生教授の測定の前に既に2度、高線量の廃棄物の測定がなされいるが、その調査リポートが残されていない。
②日本側の調査結果は台湾側に大きな刺激を与えたのは事実。
③Taiwan Powerが核後端営運基金を作り、その基金でもって全島調査、島民の健康調査などをすることになっているが、遅々として進められていない。Lanyu 島の低レベル貯蔵地から廃棄物の撤去を決めているが、どこにもっていくのか、また地方の受け入れるのか(いくつか候補地があり、そこでも住民投票が行われるとのこと)日程を含めて未定。確実に決められたこと(法的に)は何も無いに等しいという印象。 
④TEPUの創始者は、Lanyu島の汚染は鉄の不純物でなく、貯蔵の管理の悪さにy掘るという見解。 
⑤汚染の原因より汚染実態の調査が先決ということでは、国会を含めコンセンサスがあるとのこと。

 C:11月11日の日本での原発メーカー提訴について 
①全面的に支持するので、はやくチラシ、委任状を送って欲しいとのこと。 
②台湾での原告、サポータに関しては別途検討。

 D:田島伸二さんの絵本の台湾出版 
どこかの基金による出版か、TEPU自体による出版かは早急に結論をだすという結論。中国語に翻訳して香港、中国本土にまで拡げたいという著者の意向を伝達。

4.台湾長老教会(PCT)社会局の責任者と面談 
①NNAAの設立のときにPCTからの正式派遣で参加した黄哲彦牧師は、7月からPCTのリサーチセンター長になり、より自由な活動ができるとのこと。 
②CNFEとして第四原発の国民投票の決定がなされれば、
・与党の国民党が自らの判断で建設中止を決定せず、自らの責任を明らかにしないことの問題性 ・多くの台湾国民ができるだけ多く国民投票に参加することに対して
・PCTの新聞に一面意見広告をだすこと(Lanyu島の問題を含めて)を検討する。 教会公報(4万部、信者数は23万人、台湾の2%)一面広告で25万円(3割引き) この件は韓国やアメリカ、モンゴルを含め一緒にやれないか、要検討

5.台湾のクリスチャンの動向
①日本の支配の前には様々な部族が混在していが、国民意識はなかった。日本語という統一した言語、教育、行政管理、国民意識は初めてであった点が、王様をいだいた歴史をもつ韓国とは異なる。 

②そのあと、蒋介石が中国から台湾に逃げてきて中華民国を建設したが、そのときから台湾人のアイデンテイテイが生まれる(自分たちは漢族の中国人ではない)。 

③日本の植民地支配を歓迎した台湾人はそのまま国民党の支配を歓迎し、独立を願っていた台湾人は今も国民党の支配を願わない傾向が続いている。従って、日本の政治家の靖国訪問に関しても関心は薄い。 

④台湾長老教会としては、台湾独立(野党の民進党を支持する人が多い)と、少数民族の支援、原発反対は大きな柱になっている。 

⑤少数民族出身の牧師は必ず、少数民族の言語で説教しなければならないとのこと。 

⑥個人の救いより、集団として救い、社会全体の公正さ、正義を求める伝統があるが、最近は福音主義が台頭して個人の救いを強調する傾向もある。

⑦今年の9月、可能であれば、台湾でNNAAのシンポジウムを開催するように努力する(韓国、モンゴルなどを含めて)ことで合意。 いいね! · · 宣伝する ·

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