2012年11月12日月曜日

No Nukes Asia Actions (NNAA) 出発にあたって:原発輸出と闘うべき理論的根拠の確認

11月10日(土)、東京の信濃町教会において午後1時半から「NNAA設立と記念講演会」がもたれ、No Nukes Asia Actions (反原子力アジア行動)というネットワークが正式に歩みだしました。午後6時からは引き続き記者会見が持たれました。

会場には台湾、韓国、モンゴル、アメリカ、九州、北海道からの参加者を合わせて100名が集まり、今後の原発輸出と使用済み核燃料のモンゴル持込みに反対する運動を展開すること、また原発メーカであるGE、日立、東芝、三菱重工の法的責任を問う裁判闘争を進めることが確認されました。

                


「NNAA設立と記念講演会」
プログラム
3.第1部 13:30~17:30)
記念講演会「原発体制と原発メーカーの責任」
13:3013:35  はじめに  司会                                                                                                                                                                                                                                      13:3515:00        原発輸出の背景                                                                                                                             鈴木真奈美氏(フリーランス・ジャーナリスト)
15:0016:30  原発メーカーの実態と責任                                    田中三彦氏(元国会福島事故調査委員会委員)

    
    
    16:3016:50  原発メーカーの法的責任について             
        島 昭宏氏(弁護士)
    17:0017:30  質疑応答









4.第2部 (18:00~19:00)
メディア発表NNAAの設立と目標」
1)挨拶およびNNAAの紹介 NNAA-J 
   事務局長 崔 勝久
2)原発メーカーの法的責任について  
   弁護士 島 昭宏
3)NNAA 11.10宣言文        
   荻谷 海
4)各国・地方からの挨拶および、緊急アピール
            

             ①モンゴル(スカイプ利用)Aldraa LDさん
             ②函館(スカイプ利用)Peter Howlett さん
             ③韓国  Lee Daesoo さん
             ④台湾  黄 哲彦 さん
                 ⑤USA  荻谷 海さん

                 ⑥札幌  布谷 誠一 さん
               5)質疑 (20分)



NNAA 11.10共同宣言

私たちは、国内における原子力発電所というのは、いずれの国においても、非民主的な手段によって作られてきた「国内植民地主義」の縮図であると認識しています。
それは原子力発電所の存在が電気の主な消費地である都会ではなく、遠く離れた、豊かな自然の恵みが残された地方に押し付けられてきたものであるからに外なりません。アメリカ、日本と韓国においては、国内に留まることなく海外へと原発輸出を展開するに至っていますが、事故があった場合にも責任をとらないことを条件とした、戦後体制下の新たな植民地主義であると考えられます。
 

 3.11福島第一原子力発電所の事故を経験した私たちは、これまで強調されてきた、原発は安全、廉価、クリーンであるという宣伝はまったく事実ではないということを知るに至りました。原発は立地地域とそこで働く労働者の被曝という犠牲の上でなりたっているのです。そして日本に居住する者、及び海を隔てた国々の人々までもがこの原発事故で発生した放射能によって多大な被害を蒙っています。私たちにはこの大事故によっていまだに放出され続けている放射能から子どもたちを守る責任があります。私たちの生命は核とは共存することができないのです。


 原子力発電所はそもそもウラン鉱石の採掘の段階から多くの被曝労働者を生み出します。モンゴルでは世界の列強がこぞって採掘権を買い漁っています。アメリカは核拡散防止を建前に、モンゴルのウラン採掘、輸出、使用済み核廃棄物の引き取り、同国内での埋蔵という、CFS(包括的燃料サービス)構想を具体化しようとしています。日本、UAE(アラブ首長国連邦)―実質は韓国―も表面下での契約を進め、モンゴルはそれに応えるべく施設建設の予算を国会で通したことが報じられました。

 アジアの経済大国となった日本、韓国、台湾とアメリカの国民はもはや使用済核燃料を自国で最終処理することを承諾しないでしょう。しかし私たちはそれを他国に持ちこむ、植民地主義ともいえる計画を黙認することはできません。
 私たちは各国との連帯を深めることによって、アジアの、そしてひいては世界の脱・反原発運動を進めることをここに宣言します。

                                                 20131110

                                           No Nukes Asia Actions(NNAA)
                                 Korea, Japan, Mongolia, Taiwan, USAより



11.10 NNAA共同宣言文 賛同団体、個人 リスト(順不同)

脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会」(eシフト)
CNFE(原発体制を問うキリスト者ネットワーク)国際連帯プロジェクト
原子炉メーカーを糾弾する会
NPO
南北海道自然エネルギープロジェクト
No Nuke Asia Forum Japan
玄海原発プルサーマル裁判の会
アジェンダ・プロジェクト
脱原発かわさき市民
核燃を考える住民の会
第二次不二越強制連行・強制労働訴訟を支援する北陸連絡会
緑の党Greens Japan
外国人への差別を許すな・川崎連絡会議
佼成学園教職員組合
 国際環境NGO FoE Japan
反核青年会議
日本キリスト教会人権委員会
国際環境NGO グリーンピース・ジャパン
東日本大震災被災者支援千葉西部ネット

白井伊征子(日本ソーラーエネルギー教育協会)
野副達司(日本友和会理事)
牧野時夫(牧野時夫(泊原発を止める会代表、脱原発ネットワークしりべし代表)
吉田 明彦(沖縄県民の基本的人権の保障を求める市民の会)
石地 かおる(自立生活センターリングリング事務局長)

秋山眞兄、川上純平、石井摩耶子、井口 真、安田治夫、清水竹人、中村紀子
与那城初穂、長沢俊夫、鈴木怜子、申 英子、内藤新吾、坂内宗男、小林 望
岩井健作寺本 和泉、Tadako Okita、井口 延、栗原茂、高柳富夫、西堀俊和
小宮周一、東海林 勤、藤澤一清、尾毛佳靖子、毛利亮子、上山 紀代子
長尾比呂未、関田寛雄、森田晄子、金井美彦、相沢緑、端山 俊、
高戸 二三男、紅林進


NNAA-M モンゴル
Mongolia Green Party
No Nuclear Power Plants and Wastes in Mongolia
Atop Nuclear Genocide
Anti Nuclear Movement
Nuclear Free Mongolia 
Kh. Selenge Prof. Ph.D. Law school of Mongolian State University,
J. Ganbaatar Coordinator of Mongolian National Disaster response center,
M. Baatarkhuyag Gal undesten holboo, L.Bor, L.Selenge,
O.Boum-Yalagch Mongolian Greens, Aldraa LD

NNAA-Aアメリカ
No Nukes Action Committee (サンフランシスコ)
Todos Somos
 Japon(ニューヨーク)
Nuclear Free
 California(カリフォルニア全土の反原子力団体のネットワーク)
Residents Organized for a Safe Environment (ROSE)
Mothers For Peace

NNAA-T台湾
台湾緑の党(Green Party Taiwan
台湾長老派教会(PCT)
台湾緑色公民行動聯盟(GCAA)
台湾環境保護連盟(TEPU)
台湾・台東市民カレッジ
(財)蘭嶼部落文化基金会Tao Foundation

NNAA-K韓国
韓国・核のない社会のための合同行動
韓国・脱核エネルギー教授の会
韓国緑の党プラス
韓国環境運動連合
核のない世界のための韓国キリスト者連帯
韓国YMCA全国連盟
韓国YWCA連合会
韓国生命平和センター
釜山緑の党
慶州の市民フォーラム
韓日100年平和市民ネットワーク
韓国NCC
韓国光州環境運動連合



11月11日 官邸前抗議デモに参加


1 件のコメント:

  1. 福井の中野です。

    > なお、10日の講演、記者会見の様子は録画のURLがわかった段階で、みなさんにお知らせいたします。
    IWJのビデオのことでしょうか?
    IWJ ch5 にNNAAの10日のビデオがあります。

    下記、ustream にあります。
    講演
    ① http://www.ustream.tv/channel/iwakamiyasumi5#/recorded/26866115
    ② http://www.ustream.tv/channel/iwakamiyasumi5#/recorded/26866995
    ③ http://www.ustream.tv/channel/iwakamiyasumi5#/recorded/26869993

    記者会見
    ④ http://www.ustream.tv/channel/iwakamiyasumi5#/recorded/26870481
    ⑤http://www.ustream.tv/channel/iwakamiyasumi5#/recorded/26872028

    以下、蛇足です。

    IWJ は、報道してくれるので、とてもありがたいのですが、
    残念ながら、10日のビデオの音声は、自分のPCでは、今ひとつ聞きとりにくい部分がありますがなんとか、概要は理解できます。
    IWJ さんは、編集などの費用がとれないと聴いています。

    冗長な部分多いですが、ビデオなのでスキップしてみる事ができます。

    大変ですが、できれば文字起こしして、内容が読めるといいかと思います。ビデオでは、聴いているととても時間がかかるということもあります。

    細部がききとれないこともありますが、田中さんの講演はとてもよかったと思います。メーカー責任を掘り下げると、現場の労働者の誰もがが直面する技術と社会倫理の矛盾につきあたり、さらに、田中さんは技術論への入り口までお話していると思います。
    この問題を、反原発の技術的リーダーである田中さんが、真摯に自分の苦悩を踏まえてお話していることの、意義は大きいと思います。

    鈴木さんの講演も、よくまとまっており、判りやすいと思います。
    ただ、IWJのビデオでは、かなり聴きづらいのが難点ですが、残念です。

    崔さんはよくご存じかもしれませんが、内部被曝問題研究会という団体があります。http://www.acsir.org/

    内部被曝問題は、アメリカを中心とした原発の歴史の中での問題だという考えがあります。
    こういった問題も国際問題だと思います。
    国際連帯の運動で問うていかねばならないと思います。
    最近、福島へボランティアに行く人達の中で、エートスプロジェクトを問題にすべきだという声をよく聞きます。
    エートスプロジェクトも含め、福島で、今だに積み上げられる被ばくは、IAEAなどがからんだ
    国際シンジケートとでもいうべき(そんな実体があるかどうか自分には今だ判断がつきませんが)国際構造の犯罪で、しかも、チェルノブイリや福島で、進行中の犯罪だと思います。

    もしかしたら、田中さんは、こうした議論をあまりよくご存じないかもしれませんが、自分は、この視点も、技術論として掘り下げるべきかと思います。

    岩上氏は、崔さんたちの翌日福井にきて、ちょっとだけトークしましたが原発・核の背後にあるアメリカを強調しておられました。しかし、無論、アメリカの戦略は大問題ですが、近年の中国やロシアなども独自に核戦略を進めており、そういった国家という枠組みでお互いに競い合い、危険な戦略を進めながら、また、一部では連合して国内の民衆にたいして、原発・核を強いているという事実があると思います。

    崔さんたちNNAAが、この国際連合に反撃していくきっかけになればと思います。

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