2009年2月12日木曜日

「当然の法理」に対する西川発言の真意が明らかになりましたー西川さんからのお手紙から

みなさんへ

先週、西川長夫さんの横浜国大での講演会の翌日、川崎でフィールドワークを実施した後の「連絡会議」との懇談会の席上、望月さんが「当然の法理」についての発言をされました。
それに対する西川さんの受け応えについて、後日、望月さんが報告書の中で、西川さんの発言は「当然の法理」の問題を十分に受け止めていないという批判がありました。その場にいた私と、立命館の番匠さんは、西川さんの発言は望月さんが批判されたような内容ではないと記したところ、望月さんはその指摘を受けて、文書を訂正されました。

そこで西川さんの発言の趣旨は、望月さんの誤解されたような内容ではなかったが、「当然の法理」そのものについては西川さんはどのように考えていらっしゃるのか、日本社会においてこの「当然の法理」の問題が広く取り上げられていないこと(望月さんの西川批判もまた、西川さんをしてそうなのかという失望から発せられたものと理解します)を勘案して、この「当然の法理」のもつ問題性をこれからの課題として検討していくことを私は立命館の諸君に提案しました。

本日、西川さんから横浜国大での講演及び二日間のフィールドワークについて、大変心のこもったお礼のお手紙が届きました。その中で、西川さんは今回の「当然の法理」に関するご自分の発言が十分でなかったことを詫び、ご自身の「当然の法理」についての御意見を述べていらっしゃいます。ご本人のご了解を得て、お手紙の中からその部分を公開させていただきます。



以下、西川さんのお手紙の一部を抜粋;
「メールで「当然の法理」について誤解のあったことを知りました。小生の説明不足が原因だと思います。実は「当然の法理」については横浜国大で時間があったらしゃべろうと思い、鄭香均編著の『正義なき国』を読み、知人の弁護士に「当然の法理」の法的根拠なども聞いて準備していたのですが、誤解のないようにこの問題をしゃべるとすれば少なくともまた3,40分は必要だと思い止めました。小生がこの2,30年間書いたりしゃべってきたこと(いわゆる国民国家論)は、一口で言えば、この「当然の法理」に対する闘いであったと思います。小生のあの時の発言は、望月さんが折角言い始められた「当然の法理」についてもっと時間をかけて話し合いが出来ないのが残念だ、という主旨だったのですが、言い方が悪くて望月さんに迷惑をかけてしまったようで心苦しく思っています。」

以上の西川さんのお手紙で、望月さんは完全に「誤解」を氷解されると確信します。そればかりか、国民国家論で、日本の学会のみならず、一般社会に対しても大きな影響を与えられた西川さん御自身が、それは「「当然の法理」に対する闘いであった」と記されたことの意義は大変重要なこととして多くの人にも受け止められられると思われます。今後、西川さんの講演会と川崎のフィールドワークに参加された横浜国大・立命館・一橋の人たちとの間で真摯な意見交換、研究成果の交換がなされるのであれば、フィールドワークを準備した者としてこれほどうれしいことはありません。みなさん、ありがとうございました。私のブログから講演会のことを知り聴講義に来られた方及び、フィールドワークに参加くださいました方々にもお礼を申し上げます。

-- 崔 勝久

SK Choi

skchoi777@gmail.com

携帯:090-4067-9352

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